この出版契約書は、日本児童出版美術家連盟、(社)日本児童文学者協会、
(社)日本児童文芸家協会、(社)日本書籍出版協会児童書部会の四者が話
し合って作成したものです。初めて出版される方にも理解ができるようにと
解説を付けた画期的なものですが、条文は同じで解説のないシンプルなも
のもあります。
この出版契約書用紙を使用したい方は、出版社に「日本書籍出版協会に
ある児童書出版用の契約書を使う」と申し出て下さい。日本書籍出版協会
の会員社でなくても有料頒布を受けることができます。



                ●児童書出版用●
            出 版 契 約 書

   著作者名                          

   書  名                           

      上記著作物を書籍として出版することについて、

   著作権者                     を甲とし、

   出版者                      を乙とし、

         両者の間に次のとおり契約する。

               年  月  日     


              甲(著作権者)
   住所                             

   氏名                             

              乙(出版権書)
   住所                             

   名称                             

   氏名                             



               前 文

  子どもの本は、子どもたちに読書の楽しさと豊かさを伝え、
子どもたちの持つ創造力を育む、かけがえのない著作物である。
子どもの本はまた、文化の土壌を形成する、 大切な意味をも持
っている。この出版契約書は、子どもたちの豊かな未来を願っ
て創られた著作物に対して、 著作者と出版者が、互いの権利と
義務を定め、相互の信頼と協力によって誠実に履行することを
目的とするものである。


 なお、この契約書は、日本児童出版美術家連盟、(社)日本児童文学者協会、
(社)日本児童文芸家協会、(社)日本書籍出版協会児童書部会 の四者が合意
のもとに作成した。





第1条 (出版権の設定) 甲は、表記著作物(以下「本著作物」という)の出版
    権を乙に対して設定する。
    2.前項の出版権の設定により、乙は、本著作物の複製ならぴに頒布の
    権利を専有する。
    3.甲は、乙が本著作物の出版権の設定を登録することを承諾する。

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◎解説◎
 出版権は、著作権法に規定された権利(著作権法第79条以下)で、出版者が著作権
者との契約により、一定の期間その著作物を独占的に 出版できる権利です。
 著作権法では、著作権は著作物を創作的に表現した時点で、何らの手続きを必要と
せずに発生します。著作者 が専有する著作権は、いく種類(複製権、上演権、演奏権、
放送権、口述権等――著作権法第21条以下)かの権利の束のようなものであり、 その
なかでも複製権は最も重要なものです。
 この複製権を出版という態様(かたち)で、出版者にある一定期間独占的に利用させる
ことを出版権を設定するといい、そうした内容の契約を出版権設定契約といいます。出版
権の設定を受けた出版者は、その契約期間中、そ の著作物の複製ならぴに頒布の権利
を専有するとともに、一方で、それに伴う一定の義務(第2、7、13条等)を負います。出版
権設定を登 録すると、そうした契約があることを公に示すことになり、第三者に知らしめる
ことができます。登録は、文化庁にある登録原簿に出版権 設定の旨を記載する手続きで
すが、著作権者(登録義務者)の承諾書があれば出版権者(登録権利者)だけで登録で
きます。第3項の規定は、 この承諾書となっています。
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第2条 (出版の責任) 乙は、本著作物の複製ならぴに頒布の責任を負う。
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◎解説◎
 出版権の設定を受けた出版者は、当然のことながら複製(印刷)・頒布(販売)に責任を
持たねばなりません。第2条は、このことを確認 したものです。 なお、著作権法には、出
版権の設定を受けた出版者は「著作物を慣行に従い継続して出版する義務」があることが
定められ ています。ですから、再版する予定が全くないまま在庫切れの状態を長く続けて
いる場合には、著作権者が出版権設定契約を解除することが できます。
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第3条 (出版権の存続期間) 第1条により設定された乙の出版権は、第28条お
    よぴ第29条に定めるこの契約の有効期間中存続する。

-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 出版権の存続する期間は、第28条、第29条で取り決めた期間のあいだ存続します。
なお、期間の取決めのない場合は、 最初に出版のあった日から満3か年間で、出版権
は消滅します。ですから、契約の日付と契約の期間をきっちりと定めておくことが、 著作
者、出版者ともに大切なことです。
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第4条 (排他的便用) 甲は、この契約の有効期間中に、本著作物の全部もしく
    は一部を転載ないし出版せず、あるいは他人をして転載ないし出版させな
    い。
    2.前項の規定にかかわらず、甲乙同意のうえ本著作物を他人に転載ない
    し出版させる場合、甲乙協議のうえ、その処理を行う。

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◎解説◎
 第4条第1項は、出版権は、排他的・独占的な権利であることを確認した条項です。著作
権法にも出版権の内容として、「出版権者は、設定 行為で定めるところにより、…複製す
る権利を専有する」と規定されています。ですから、出版権が設定されている期間は、著
作権者は別の 出版者にこの著作物を出版させることはできないことが、著作権法に明記
されています。
 第2項は、現実を勘案した場合、第1項の規定だけではあまりにも柔軟性がなくなることか
ら設けられた条項です。つまり、甲乙ともに同意 した場合に限り、他者による二次出版の
可能性を残していることを規定しています。ただし、二次出版を他社に許諾した場合、条
件等で後で もめるケースがあります。やはりこの場合、著作者、一次出版者、二次出版
者の三者による二次出版契約書(あるいは寛書など)を結んでお くことが望ましいでしょう。
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第5条 (複写) 甲およぴ乙は「違法コピーを禁ずる」文言を、本書の一部に表示
    することができる。

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◎解説◎
 違法なコピーによる著作権、出版権の侵害はいま大きな問題となってきています。現
在の児童出版の分野ではそれほど問題になっておりませんが、複写機器の進歩ととも
に大きな問題となってくる可能性は大いにあります。この問題は、コピーをする側の人に
とっては、違法だと思 っていないケースが多いようです。ですから、こうした文言を表示
することは、注意を喚起する意味でも必要でしょう。
なお、複写権の集中処理機構として、「日本複写権センター」が設立され、活動を始めて
いますが、児童出版関係では、日本児童出版美術家 連盟、日本児童文学者協会、日
本児童文芸家協会とも、センターヘの参加を決めておりません。
 注・日本児童出版美術家連盟はその後、日本美術著作権連合の一員として参加して
います。
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第6条 (類似著作物の出版) 甲およぴ乙は、この契約の有効期問中に、本著作
    物と明らかに類似すると認められる内容の著作物を出版せず、 あるいは
    他人をして出版させない。

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◎解説◎
 著作者、出版者ともにこの契約の有効期間中、自社、他社を問わず類似した出版物を
出版しないこと、させないことを確認した条項です。 しかし、児童書の場合、名作、昔話、
伝記等、同一書名であっても内容・表現の違うものを、著作者が他社で出版する場合、
あるいは出版者 が読者の年令層を変えて違う形態で出版する場合などがあります。そ
のため、あまりに厳しくすると著作者、出版者ともに首を絞めることに なりかねません。
ですから、この条項はあくまで創作またはそれに準ずる著作物について必要な条項です。
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第7条 (原稿引渡しと発行の期日) 甲は、      日までに本著作物の
    完全な原稿(原図・原画・写真など を含む)を乙に引き渡す。
    2.乙は、完全な原稿の引渡しを受けた後  か月以内に本著作物を発行
    する。
    3.やむを得ない事情があるときは、甲乙協議のうえ、第1項、第2項の期日
    を変更することができる。

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◎解説◎
 第7条第1項は、いわゆる原稿締切りの期日を規定したものです。第2項は、発行の期
日を規定したものですが、出版権の設定を受けた出版者 は、ここに期日の取決めがない
場合は、原稿の引き渡しを受けてから6か月以内に出版する義務があります。
なお、この第1、2項をあまりにも厳しくすると本の発行が困難になる場合がありますので、
第3項はその救済条項として入れてあります。
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第8条 (内容の責任) 甲は、本著作物が他人の著作権その他の権利を侵害しな
    いことを保証する。

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◎解説◎
 著作物とは、著作権法にあるように「創作的に表現したもの」ですから、当然内容の貴
任は、著作者が持たなくてはなりません。すなわち、 他人の著作物を盗用したりした場
合の責任は、本来は著作者にあります。また、著作権以外の権利につきましても、近年
は大きな問題となる場合が多く見受けられます。これらの権利には、商標権、意匠権、
肖像権、プライパシーなどがあげられますが、こうした権利の侵害も、著作者の責任とな
ることは明らかです。
 しかし、著作権も含めて、これらの権利侵害は、出版者も社会的、道義的貴任があり、
場合によっては、同列の罰則を受ける時もあります。 それに加え、著作者・出版者とも
損害賠償を請求されたり、出版の差し止め、出版物の引き上げ等、金銭的な損害も計り
知れないものとなり ます。こうした権利侵害等を未然に防ぐためには、著作者・出版者と
もできるかぎりの注意を払う必要があることは言うまでもありません。 また、人権問題な
どについても、これに加える必要があります。
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第9条 (校正の責任) 本著作物の校正に関しては甲の責任とする。ただし、甲は、
    乙に校正を委任することができる。

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◎解説◎
 著作者には、内容についての責任があるのですから、当然校正も責任の範囲に入りま
す。しかし、著作者は校正作業に不慣れな場合が多い わけですから、それを出版者に
委任できるとした条項です。基本的には、共同して一つの出版物を作っていくという形が
望ましいのですから、 著作者も出版者もそれぞれの立場で校正をするのが一般的でしょ
う。なお、誤植等による刷り直しその他の損害は、出版者がかぶるケースが ほとんどです
から、校正における編集者の責任が甚大であることはご存じのとおりです。基本的には、
内容的な部分の校正は著作者の貴任、 編集的な部分の校正は出版者の責任と考えた
方がよいでしよう。
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第10条 (費用の分担) 本著作物の著作に要する費用は甲の負担とする。ただし、
     明らかに通常の費用を超えた場合は、甲乙協議する。
     2.本著作物の製作・販売・宣伝に要する費用は乙の負担とする。
     3.前項の規定にかかわらず、甲の指示する修正・増滅によって、通常の
     費用を著しく超えた場合には、その超遇額の負担額・文払い方法を甲乙
     協議のうえ決定する。

第11条 (著作者人格権の尊重) 乙が出版に適するよう本著作物の内容・表現ま
     たはその書名・題名に変更を希望する場合は、あらかじめ 甲の承諾を必
     要とする。

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◎解説◎
 著作者人格権は、公表権、氏名表示権、同一性保持権の三つの権利から成り立って
います。ここでは、そのうちの同一性保持権の尊重、 つまり「その著作物およぴその題
号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を
受けない(著作権法)」 権利を確認しています。なお、著作者人格権は、いかなる場合も
著作者に属している権利で、たとえ出版権が、出版者に設定されていてもいささかも影響
されません。また、絵画などの著作物を買い取っていても、勝手な改変は許されません。
ですから、あらゆる改変を希望する場合は、あらかじめ著作者の承諾を得ておかねぱなり
ません。
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第12条 ((C)表示) 乙は、甲の権利保全のために所定の位置に(C)、甲の氏名、
     第一発行年を表示する。

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◎解説◎
 (C)は、copyrightの略で著作権所有を示す国際記号です。著作者が亡くなっている場
合、あるいは著作権を譲渡している場合は、その権利を継承または譲り受けている人
(著作権者)の氏名を表示しなければなりません。また、必ず第一発行年を併記すること
が必要です。
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第13条 (増刷の通知義務等) 乙は、本著作物を増刷するに際して、あらかじめ
     著作者にその旨を通知する。
     2.乙は、著作者から修正増滅の申し入れがあれば、甲と協議のうえこ
     れを行う。

-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 出版権者は、増刷のたびごとに、あらかじめ著作者への通知の義務のあることが、著
作権法で規定されていますので、増刷通知は必ず出す必要があります。なお、増刷に
際し、著作者は「正当な範囲内の修正増滅」をすることができることが著作権法で認め
られています。
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第14条 (改訂版、増補版の発行) 本著作物の改訂版または増補版の発行につ
     いては、甲乙協議のうえ決定する。

第15条 (定価・部数等) 乙は、本著作物の定価・発行部数・増刷の時期およぴ
     宣伝・販売の方法を決定する。

第16条 (献本部数等) 乙は、初版第1刷の際に  部、増刷のつど  部を甲
     に献本する。
     2.甲が寄贈等のために本著作物を購入する場合は、次のとおりとする。

第17条 (宣伝物のための使用) 乙は、本著作物の宣伝物に限り、その使用に関
     して甲と協議のうえ、無償で本著作物を複製して使用することができる。
-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 この条項はほぽ美術の著作物についての取決めです(作家の自筆原稿なども含みます)。
本書の宣伝物(チラシ、カタログ、新聞・雑誌広告等)に限り、無償で本著作物を複製して
使用できることを規定してあります。ただし、例えぱ他の本も同時に掲載されている総合
カタログ的なものの表紙などに、本著作物を使用する場合は別途協議が必要であり、
著作権使用料も別に発生するのが通例です。
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第18条 (著作権使用料およぴ支払方法・時期) 乙は、甲に対して、次のとおり
     本著作物の著作権使用料を支払う。

      著作権使用料/

     支払方法・時期/

     2.甲は、納本・献本・批評・宣伝・業務などに使用する部数について、
     著作権使用料を免除することができる。ただし、その部数は  部とする。
-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 現在、書籍の著作権使用料の支払いは、印税制が主流です。なかには、原稿料一時
払い制を採っている出版者もありますが、その場合は相応の使用料が支払われることが
通例です。また、印税制を採用している場合、発行部数制を採るか、実売部数制を採るか
は出版者によってまちまちです。発行部数制、実売部数制のいずれを採った場合も、海外
出版におけるアドパンスペイメントに当たる、印税の保証部数・保証金額を設定する場合が
多く見られるようになってきました。その他には、初版のみ原稿料一時払い制を採り、再版
以降は印税制とする出版者もあるようです。いずれの方法を採る場合も、契約は個々で対
応していかねばならないのですから、きっちりとした形で決めておかなけれぱ、後の紛争の
元となります。
 支払方法については、著作権者の銀行口座への振込が通例ですが、支払時期について
はさまざまです。これもやはり、契約後○か月以内とか発行後○か月以内という形ではっ
きり決めておく必要があります。
 以下に著作権使用料と支払方法・時期の例をあげておきます。

●例1(発行部数制を採った場合)
    著作権使用料/発行部数1部ごとに定価(または本体価格)の   %に相当する
              金額 (または発行部数1部ごとに    円)
    支払方法・時期/発行後○か月以内に甲の指定する銀行口座に振込をもって支払う。

●例2(実売部数制を採った1場合)
    著作権使用料/実売部数1部ごとに定価(または本体価格)の   %に相当する
              金額 (または実売部数1部ごとに    円)
             保証部数    部(または印税前払い部数    部)
             保証金額    円(または印税前払い金額    円)
    支払方法・時期/保証分の支払いについて
               発行後○か月以内に甲の指定する銀行口座に振込をもって支払う
               保証分を超えた分の実売部数報告と支払いについて
               乙は本書の毎年○月○日までの販売部数を○月○日までに甲に
               書面をもって報告し、○月○日までにその相当する金額を支払う。

●例3(初版のみ原稿料一時払い制を採った場合)
    著作権使用料/初版の著作権使用料として     
             再版以降・発行部数(実売部数)1部ごとに、定価(本体価格)の  
             に相当する金額。
    支払方法・時期/初版分の支払い方法
             初版発行後○か月以内に甲の指定する銀行口座に振込をもって支払う。
             再版以降の支払方法
             発行後○か月以内に甲の指定する銀行口座に振込をもって支払う。


 以上のような方法が考えられますが、出版者によってさまざまなやり方があると思います
ので、組み合わせるなどして適切な表記の方法をとってください。
 第18条2項は、発行部
数制を採ったときだけに必要な条項です。それぞれの社によって異なりますが、一般的に
50〜200部ぐらいが多いようです。
-------------------------------------------------------------------
第19条 (発行部数の報告等) 乙は、本著作物の発行部数を証するため、甲に対
     し製本のつどその部数を報告する。甲の申し出のあった場合 には、乙は
     その証拠となる書類を添付する。

第20条 (全集・著作集への収録) 甲は、この契約の有効期間中に、本著作物を
     著作者の全集・著作集などに収録して出版するときには、 あらかじめ乙
     の承諾を得なければならない。

第21条 (海外版) この契約の有効期間中に、本著作物が海外において外国語に
     より翻訳出版される場合、甲は、その処理を乙に委任することができる。
     甲が乙に委任する場合の具体的条件については、別途、契約書を取り
     交わす。

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◎解説◎
 児童書は、海外出版される可能性が他の出版物より高いと言われ、特に絵本は今後
ますます海外への進出が期待できます。しかし、出版権者の権利は海外版には及びま
せん。出版者が海外出版を進める上には、基本的に、常に著作者の同意と委任が必要
であることを確認しておきたいと思います。出版者に海外から出版の申込みがあったとき
から、まず著作権者と相談の上、対応していかなければなりません。なお、具体的な条
件については、別途、契約書を取り交わします。甲が海外版の契約をする場合は、乙と
条件などを取り決めます。
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第22条 (二次的便用) この契約の有効期間中に、本著作物がダイジェスト・演劇・
     映画・放送・録音・録画・電子媒体等、その他二次的に使用される場合、
     甲はその使用に関する処理を乙に委任することができる。甲より委任を受
     けた乙は具体的条件について甲と協議のうえ決定する。
     2.甲およぴ乙が、本著作物を第三者に二次的使用させる場合は、著作者
     名、出版者名を明示させる。

-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 「二次的使用」は、第4条2項にいう「二次使用」(二次出版)のように同一著作物が版を
異にして再刊されることとは違い、同じ出版の分野でもダイジェストのように形を改めて使
用される場合と、出版以外の演劇・映画・放送・録音・録画、電子出版等の異なった媒体
に使われる場合とがあります。いずれも児童出版の分野では近年増加しつつあり、海外
版同様のきちんとした対応が必要です。これも海外版と同じように出版権は及ぴませんの
で、具体的条件は、別途、契約を取り交わすことが必要です。もちろん、絵本などのキヤ
ラクターをグッズなどに使用する、いわゆる商品化権は出版権の及ぱないものです。著作
権者が著作権使用料などの管理を出版者に委任する場合は、別途に話し合いの上、新
たに契約書を結ぶ必要があります。
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第23条 (原画・原稿の紛失または汚損の場合の処置) 乙の責任により、原画・
     原稿を紛失、汚損した場合は、甲乙協議のうえ、乙は賠償金を甲に支払
     うものとする。
     2.甲の責任により、原画・原稿を紛失または汚損したとき、甲は無償に
     てこれを復元し乙の使用に供するものとする。

第24条 (出版権消滅後の頒布) 乙は、第18条の規定に従い、著作権使用料を
     支払ことを条件に、出版権消滅の後も  年の間、本著作物の在庫を
     頒布することができる。

第25条 (著作権または出版権の譲渡・質入) 甲が著作権の全部もしくは一部を、
     または乙が出版権を、第三者に譲渡または質入れしようとするときは、
     あらかじめ甲乙の文書による同意を必要とする。

第26条 (災害などの場合の処置) 地震・水害・火災その他不可抗力およぴ甲乙
     いずれの責に帰せられない事由により、本著作物に関して損害を被った
     とき、またはこの契約の履行が困難と認められるにいたったときは、その
     処置について甲乙協議のうえ決定する。


第27条 (契約の解除) 甲または乙は、相手方がこの契約の条項に違反したとき
     は、相当の期間を定めて書面により契約の履行を催告のうえ、この契約
     の全部または一部を解除することができる。

第28条 (契約の有効期間) この契約の有効期間は、契約の日から初版発行の
     日まで、およぴ初版発行後満   か年間とする。
-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 出版権は、契約書で期間の取決めがなけれぱ、初版発行後満3か年で消滅します。
ですから、ここに期間を取り決めておく方が著作者・出版権者とも望ましいでしょう。一般
的な期間は3〜5か年のあいだがほとんどのようです。
-------------------------------------------------------------------
第29条 (契約の自動更新) この契約は、期問満了の3か月前までに甲乙いずれ
     かから文書をもって終了する旨の通告がないときは、この契約と同一条件
     で自動的に更新され、有効期間を  か年ずつ延長する。

-------------------------------------------------------------------
◎解説◎
 第28条で規定された期間が終了の通告がないときは、自動的に延長されることを規定
した条項です。特に間題がないものは、契約を自動的に更新します。自動更新の期間は
通常1〜3か年のあいだがほとんどのようです。
-------------------------------------------------------------------
第30条 (契約内容の変更) この契約の内容について追加・削除その他変更する
     必要が生じたときは、甲乙協議のうえ決定する。
第31条 (契約の尊重)
     甲乙双方は、この契約を尊重し、この契約に定める事項について疑義を
     生じたとき、またはこの契約に定めのない事項について意見を異にしたと
     きは、誠意をもってその解決に当たる。


上記の契約を証するため、同文  通を作り、甲乙記名捺印のうえ、各1通を保有
する。

                                            以 上


                         
                  日本児童出版美術家連盟
                   (社)日本児童文学者協会
                   (社)日本児童文芸家協会
                (社)日本書籍出版協会児童書部会
                         ◆
                                              1994年9月

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